南條楓の処方箋

メンヘラの通院日記です

或る話。

真面目に生きてきた。良いとされる道を選んで歩いてきた。真面目な生徒。良い娘。そう見えるように生きてきた。

或る日、私は壊れた。真面目な人でも、良い娘でも、なくなった。自分と世界を壊して、「真面目」を捨てた。

人々は私をじろじろと見る。私は気にしない。私の世界から「人」は消えた。もう私には関係ない。

私は世界に自分一人だけになった。とても快適だ。人がいない、人が見えていても見えない、「世界」に入ってこない。

「人の存在」に恐怖し、「真面目」を演じることを捨てる、簡単なことだったんだ。

私は真面目でも良い娘でもない、それらを演じることに苦痛を感じていた。だけどもその事実を認められなかった。真面目とも良い子とも言われない自分の存在価値が見いだせなくて怖かった。

やっと認められた。やっと、救われた。

 

人々は私をじろじろと見る。私は気にしない。私の世界から「人」は消えた。もう私には関係ない。